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英語のデジタル教材の制作およびその効果を検証する研究をしています

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3ラウンド・システム教材での学習方法

目標を持ちましょう

学習の開始にあたっては、まず学習目標を立てましょう。それも1つでなく、短期的目標、中期的目標、長期的目標の3つが最低必要です。

  • 短期的目標
    「毎日」どのくらい勉強するか(例:毎日1時間)
  • 中期的目標
    「数カ月または1年」程度の期間で達成したいこと(例:3カ月でこの教材を終わらせる)
  • 長期的目標
    「自分の人生で」到達したいこと(例:TOEICで900点をとって××社の海外駐在員になる)

この最終目標が学習の動機づけとなるもので、これが曖昧だと学習が長続きしません。明確な最終目標が、決して楽ではない日々の外国語学習を継続させる原動力になるのです。

人は飽きっぽく、失望しがちな生き物です。短期的目標と中期的目標を設定することで、「毎日」と「数カ月または1年」ごとに達成感、成就感を得られます。その積み重ねが、長期的学習を成功させるための不可欠な手段(stepping stone)なのです。

学習計画を立てましょう

ことばの学習には、どうしてもある程度のまとまった時間数が必要になります。たとえば本教材の場合、正味50時間はかけて勉強してほしいと思います。ただし、それを一気に片付けるのではなく、「毎日、毎日、少しずつ」を実践してください。それが最も高い効果につながるからです。

たとえば1日の学習に1時間かけるとして、Step 1の学習に1時間、Step 2の学習に2~3時間、そしてStep 3の学習に1時間といった配分で1 unitを4~5時間で学習する。このように毎日学習を進めて2カ月程度で学習を終了させるといった計画が、もっとも高い効果を期待できるでしょう。

そして一通り学習を終えたら、もう一度全体を学習しなおしましょう。きっと1回目には見逃してしまっていた新しい発見があるはずです。そして2回目の学習では、ひとつのChapterの学習終了ごとに「そのChapterを聞きながら、後を追って自分で言ってみる」という、いわゆるシャドーイングと呼ばれる学習をしましょう。

このことにより、聞く力が増強されるだけでなく、話す力にも大きく転移する(transfer)はずです。こうした2回目の学習を含めて3カ月程度の学習が理想的です。自習の場合、これ以下の学習量・学習期間で、TOEICやTOEFLといったテストで明確な得点の上昇を期待するのは、どのような教材を使っても無理でしょう。

学習を継続しましょう

Step Up e-Listeningでの学習を終えた後、3 Step Systemの教材での学習を続けたいと希望される方には、以下の教材があります。独習でも、継続して勉強すればTOEIC 800~900点、TOEFL-CBT 216~250点(TOEFL-PBT 550~600点)を取得することは決して夢ではありません。

CD-ROM教材
  • Introduction to College Life
  • College Life
  • College Life II
  • College Lectures
  • People Talk
  • TV-News
  • Movie Time 1、2

CD-ROM教材の入手方法については、FAQの「どこで教材を入手できますか?」をご参照ください。

音声CD+テキスト
  • 『英会話3STEPリスニング』(語研)
  • 『VOA英語ニュース3STEPリスニング』(語研)
学習の仕方に関する注意点

Taskにまじめに取り組むこと!

1つ1つのTaskにまじめに取り組むことで、最終的に難しい英語を理解できるように構成されています。大切なことは、1つ1つのTaskを軽視せず、真剣に自分で考えながら実践することです。

3 Step SystemではStep1、2、3の各Taskが、互いに緊密で有機的な関連をもつように作成されています。Step 1のTaskを真面目にやれば、Step 2でのTaskに解答することが楽になり、逆にTaskを飛ばしてしまうと、Step 3の解答は非常に困難になってしまいます。

Hintを活用すること!

Taskには3つずつのHintがついています。でも、それらのHintを一度に見てしまうのでなく、1つ1つのHintを読んでは、そのたびに注意深く聞いてみることが大切です。

1番してはいけないことは、先に解答を見てしまってから、頭を使わずに形式的に音声を聞いて「勉強したつもり」、「聞けたつもり」になることです。

このような学習の仕方をすると絶対に英語力はつきません。急がば回れなのです。英語の学習は山登りと同じです。頂上まで一直線に登ろうとする人は、例外なく途中で疲れて倒れてしまいます。それに対して、一見、遠回りに見えても、ジグザグに右へ行ったり左へ行ったりしながら登る人はいずれ必ず登頂に成功するのです。

トランスクリプトや全訳は見ないこと!

Step 3の最後にTranscriptが提示されますが、その理由は、まずトランスクリプトを見てから聞くと「音声が聞けた気分になる場合」と、逆に「なおさら分からなくなる場合」の両方のケースがあるからです。

前者の場合は、必要な音声情報を聞き取る努力なしに聞けた気分になってしまうわけですから、学習がほとんど行われないということになります。後者の場合は、文字言語をローマ字式に呼んだり、発音したりする学習者に起こることです。実際には多くの語や文はローマ字式には発音されません。違った音を期待して聞くことによって、Transcriptを見ないで聞くよりも、正しく聞くのが困難になってしまうのです。

したがって、やるべき学習努力の全てが終わってから確認する目的以外には、Transcriptは使うべきではありません。

別の言い方をすると、「音声の聞き取り」にしても、「内容の理解」にしても、あまり細かいところにこだわらずに、70~80パーセントの大まかな理解で良しとし、残りは推測するくらいの気持ちで学習を続けるのが効果的な学習方法だということです。

忘れてならないことは、翻訳力と英語力とはまったくの別物だと言うことです。

何度も何度も繰り返し聞くこと!

音声は何度も繰り返し聞いてください。3 Step Systemの場合、他の学習法より教材を繰り返して聞く回数が多くなると思います。しかし、毎回異なる目的をもって、頭を使いながらゲーム感覚で実践できるようにTaskが構成されていますので、興味を持って学習すれば聞き飽きるということはないはずです。

しかも、指示されたとおりに学習作業を真面目にやった場合には高い学習効果が得られますので、トータルで見れば、他の方法で勉強した場合よりずっと短い時間で英語力が大きく向上するのです。

途中で聞き取りを省略して解答を見てしまったり、形式的に聞き流したりすると、表面的には早く終えられますが、学習効果には決してつながりません。「終わりにした」ということと「学習した」ということはまったく別のものだということは忘れないで下さい。

これらの他にも、伝統的な学習法で長期間英語の勉強を続けてきた皆さんには、見慣れない指示やTask等があるかもしれません。しかし、それらはすべて「レベルの高い教材を容易だと思わせ、またしっかりと記憶に残し、そして実用力を効率的に養成する」ために必要なことです。

指示に忠実にしたがってTaskを実践してください。それが結果として他の学習法の4~10倍という高い効率を実現するのです。

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