研究プロジェクトResearch Projects
- 語彙教材の開発
- リスニング教材の開発
竹蓋Vメソッドとは?
「この単語、受験勉強していたときに覚えた気がするけど、どんな意味だったかな」、「単語帳を作って、あんなに時間をかけて勉強したのに、もう忘れてしまったなんて…」、「口頭で発音されたときは知らない単語だと思ったけれど、綴りで見たら知っている単語だったことが分かった」などといった経験はありませんか。教室で尋ねてみると、予想以上に多くの学生が、このような体験をしています。 実は、英単語を習得するということは、簡単そうに思えて、とても大変なことなのです。その原因として、主に以下の4つの問題点が挙げられます。
- 学習が短調で、つまらなくなりがちである
- 覚えたと思った語もすぐに忘れてしまう
- 実用コミュニケーションの役に立つ形で覚えることが難しい
- 覚えるべき語彙が大量にある
そこで、これらの問題点に対処するためには、どうすればよいかを考えました。
- 楽しくインプットできるようにしよう
- 強く定着するようにしよう
- 実際に使える語彙が学べるようにしよう
- 効率的に学習できるようにしよう
これらのことを念頭において開発されたのが本メソッドです。
このメソッドに沿った教材は、1995年に開発されたものが徐々にバージョンアップされてきており、現在は、音声CDと印刷テキストで学べるタイプの教材とパソコンで学べる教材があります。これは、学習者の生活パターンや学習媒体に対する嗜好が多様であり、どちらも需要が高いからです。
ステップ構成
基本的なステップ構成は以下のとおりです。機能や使用される場面ごとにグルーピングされた10語の単語を、易しいタスクから難しいタスクへと並べられた下記のステップに沿って学習していきます。
1
- STEP1
- 学習のテーマについて、写真などを交えて情報提供します。学習の意図や目的を意識して学習を始めましょう。
- STEP2
- 学習する10個の単語を音声で聞いてみます。これから学習する心の準備をしましょう。
2
- STEP3
- 学習する10語の単語について、綴り、対応和訳、音声という側面について概観します。
- STEP4
- 単語の意味を考えながら、ノートに綴りを書きます。手を使って書くという行為は脳に直結しているので記憶の定着を高めます。
- STEP5
- 英単語を音声で聞いて、対応和訳を瞬時に思い出せるようになるまで練習します。
- STEP6
- 今度は逆に、対応和訳から英単語が瞬時に思い出せるようになるまで練習します。
3
- STEP7
- 学習語彙が使われているチャンク(意味のある数語のかたまり)で学習することで応用力をつけます。音声でチャンクを聞いて、すぐに全体の意味がわかるまで練習しましょう。
- STEP8
- 前のStepで学習したチャンクの中の学習語彙の部分が空欄になっています。そこに入るべき単語を埋めましょう。埋められない場合は、ヒントとしてチャンクの音声を何度か聞いてから再度取り組みましょう。
4
- STEP9
- 単語の音声を聞いて、瞬時に日本語訳を思い出せるか確認します。1つでも思い出せないものがあったら、Step 1に戻って再度学習をしましょう。
※ Step 9の後に、「グルーピングされた単語が使用されている英文を読んだり、聞いたりして、内容理解を問う問題に取り組む」というStepがある教材もあります。
5
- STEP10
- 1週間前などに学習した語彙の小テストを受け、自分が習得できていなかった語彙について集中的に復習します。
実際に使える語彙の習得を目指して
「ステップ構成」にあるように、数多くのステップで学習することによって、1つの単語が持つ多くの側面を学び、「綴りを見れば意味が何となくわかる」のではなく、実際に「ネイティブの発言の中で使われたときに理解できる」、「当該場面に相応しいフレーズ(チャンク)を、ネイティブに通じる発音やイントネーションで言える」といったレベルまで習得することを目指します。
強く定着することを目指して
普段、英語を使う機会はほとんどない、という方は、どのような方法で学習したとしても、時間が経過するにつれて少しずつ学習したことを忘れてしまうものです。これは人間なので当たり前のことです。ですから、一度の学習にたっぷり時間をかけて、それで学習を終わりにするのではなく、少し忘れてきたかなと思ったときに復習をすることを繰り返すという分散学習のスケジュールを採りいれていることも、このメソッドの特徴の1つです。この復習をする際には、事前に小テストを受けて、自分の習得していなかったところをよく把握した上で実践すると、さらに効果的です。
■学習効果について
1997年度から1999年度にかけて、本メソッドに基づいて開発された教材を使い、千葉大学で指導実践をおこないました。その実践内容や学習効果については、以下の論文に詳述されているので、ご参照ください。
- 竹蓋順子,『大学英語教育における複合システムの実践的研究』,千葉大学自然科学研究科学位(博士)論文,2000.1
- 竹蓋順子,「大学英語教育における複合システムの実践的研究」,『言語行動の研究』,千葉大学教育学部言語文化教育系英語科分野,第7号(増刊号),1-54,2000.5
- 竹蓋順子,「学習結果が定着する語彙指導システムの開発」,『関東甲信越英語教育学会研究紀要』,第13号,関東甲信越英語教育学会, 39-51, 1999.3
- 竹蓋順子,「コミュニケーション能力の養成に寄与する語彙指導システム」,『Language Laboratory』,第36号,語学ラボラトリー学会, 97-116, 1999.6
- TAKEFUTA, Junko, "Three Types of CALL Courseware Developed for Teaching Vocabulary to Japanese College Students, "JACET Bulletin, No.30, 大学英語教育学会, 103-117, 1999.10
- Takefuta, Junko, "Development of Courseware for Effectively Teaching Vocabulary to EFL Students, "The IALL Journal of Language Learning Technology, Vol.31, No.3, 59-68, 1999
教材一覧
スマホ用アプリ
- 英語発表語彙学習システム 「VOICE-j」
スマホやタブレットで学習できる、発表語彙を増やすための教材。
Web教材
- 英語語彙学習システム 「Tango」
PC、タブレット端末、スマホで学習できる教材。
CD-ROM教材
- 英語語彙学習用教材 「English Keywords in Use」
理工学系大学生向けの学習語彙500語。 - ドイツ語語彙学習用教材 「German Keywords in Use」
初級~中級学習者向けの学習語彙100語。 - 韓国語語彙学習用教材 「Korean Keywords in Use」
初級~中級学習者向けの学習語彙150語。
音声CD&印刷教材
- 竹蓋順子,与那覇信恵,「Warm-Up Track 3ラウンドでウォームアップ」,『1000時間ヒアリングマラソン・マンスリーテキスト』(アルク) 2005-現在.(月刊誌に連載)
- 竹蓋幸生,竹蓋順子,Sandra McGoldrick,『話すための英単語やり直しドリル』 (語研) 2008.
- 竹蓋順子,『竹蓋Vメソッド ボキャビルdrill』 (アルク)2007.
- 竹蓋順子,『ボキャビルマラソン MUST』(6か月完結の通信講座) Vol.1~Vol.6 (アルク),2006.3-2006.8.
語彙教材作成用のツール
- WaveSplitter (音声ファイルを無音部分で分割するソフトウェア)
- iCast (Timetableの規則に沿って音声を結合させるソフトウェア)
関連プロジェクト
2021-2023年度 |
|
---|---|
2016-2020年度 |
|
2015年度 (H27) |
|
2009-2011年度 (H21-23) |
|
2008-2010年度 (H20-22) |
|
2006-2008年度 (H18-20) |
|
2005年度 (H17) |
|
3ラウンド・システムとは?
学習者の方へ
3ラウンド・システム教材(Step Up e-Listening)での学習方法
教師の方へ
教材一覧
教材選択ナビゲーター
CALL教材
- 『College Lectures』メディア教育開発センター,1999
- 『People Talk』メディア教育開発センター,1999
- 『TV-News』メディア教育開発センター,2000
- 『Movie Time 1』メディア教育開発センター,2000
- 『Movie Time 2』メディア教育開発センター,2000
- 『College Life』文部科学省研究費補助金,2001
- 『First Listening』文部科学省研究費補助金,2001
- 『Medical English 1』メディア教育開発センター,2001
- 『Introduction to College Life』文部科学省研究費補助金,2002
- 『College Life II』文部科学省研究費補助金,2003
- 『English for Science 1』メディア教育開発センター,2003
- 『English for Science 2』メディア教育開発センター,2003
- 『New York Live』千葉大学,2004
- 『International Students』千葉大学,2005
- 『American Daily Life』千葉大学,2005
- 『People at Work』千葉大学,2006
- 『Gateway to Australia』千葉大学,2008
- 『You've Got M@il』千葉大学,2009
- 『A Bit of Britain』千葉大学,2009
- 『Canadian Ways』千葉大学,2010
- 『AFP News from the World』千葉大学,2012
- 『World Health Issues』千葉大学,2013
- 『English for Nursing Science』千葉大学,2014
- 『Art & Design in Britain』千葉大学,2015
- 『Horticulture in Australia』千葉大学,2016
音声CD&印刷教材
- 竹蓋順子,与那覇信恵,「Warm-Up Track 3ラウンドでウォームアップ」,『1000時間ヒアリングマラソン・マンスリーテキスト』(アルク)2005年4月号~現在.
- 竹蓋幸生(監修),竹蓋順子(執筆),『HMアーカイブ・シリーズ③ これで分かる!3ラウンド・システムで徹底ヒアリング』 (アルク)2009.
- 竹蓋幸生(総合監修),草ヶ谷(竹蓋)順子(監修及びコースウェア制作),高橋秀夫,土肥充,与那覇信恵,『ヒアリングマラソン・ベーシック kikuzo! <キクゾー!>』(6ヶ月完結の通信講座)Vol.1~Vol.6 (アルク),2004.12-2005.5.
- 草ヶ谷(竹蓋)順子,Sandra McGoldrick Leishman,岩崎洋一,『VOA英語ニュース3STEPリスニング』,竹蓋幸生監修(語研)2004.
- 竹蓋順子,Sandra McGoldrick Leishman,岩崎洋一,『英会話3STEPリスニング』竹蓋幸生監修(語研)2002.
ポートフォリオ
- 竹蓋順子,『ラーニング・ポートフォリオ』(学術研究出版)2015.
- 竹蓋順子,『ラーニング・ポートフォリオ2』(学術研究出版)2016.
関連プロジェクト
2015-2018年度 (H27-30) |
|
---|---|
2012-2015年度 (H24-27) |
|
2011-2013年度 (H23-25) |
|
2009年度 (H21) |
|
2007-2010年度 |
|
2006-2008年度 |
|
2004-2006年度 (H16-18) |
|
2004-2005年度 (H16-17) |
|
2004-2005年度 (H16-17) |
|
1999-2001年度 (H11-13) |
|