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英語のデジタル教材の制作およびその効果を検証する研究をしています

研究プロジェクトResearch Projects

3ラウンド・システムの概要

まず、3 Step Systemの学習では、学習機会を学習目標の高さを基準に3分割します。そのStep 1からStep 3までの3段階の学習を「断続的」に行って完成させる形になっています。つまり、Part 1の3段階の学習の間に必ずPart 2とPart 3の学習が挿入されるので、Part 1の学習が連続的にではなく、間を空けて、断続的に行われるということです。

このように1つのパートの学習を一度にやらなかったり、他のパートの学習をしたりすれば、前に学習したことを忘れてしまうので、効率が悪いのではないかと思われるかもしれません。でも、それは間違いです。人間には、よく覚えていることを何度も見たり、聞いたりするよりも「忘れそうになる直前に思い出す」ということを繰り返すと、記憶が定着し、長期間記憶を保持できるという特質があるからです。

それでは、各Stepで学習するときに気をつけてほしい点について説明します。

Step 1

このステップでは、「素材の全体像の大まかな理解」を目指します。聞き取れた一部の語句や映像から、状況・内容などをおおまかに推測するTask(学習作業)が中心になります。ここでの学習はStep 2に入ったときに、言語情報の「トップダウン」処理、つまり全体像からその構成要素の推測を行えるようにするためのものです。

Step 2

Step 2では「言われていることを表面的に、詳細に理解する」ことを目指します。表面的な理解というのは、言われていることをその通りに聞き取り、素直に理解するということです。ここでの学習はStep 3での「ボトムアップ」による言語情報の処理、つまり構成要素を積み重ねていくことで全体像を把握できるようにするためのものです。

Step 3

最終ステップでは、Step 1とStep 2での学習した情報を活用して言語情報の併行処理、つまり言語情報のトップダウン処理とボトムアップ処理を交互に高速で行い、「言われていることのまとめや、必ずしも表面的には現れていない話者の意図や結論」などの真のメッセージの正しい聴解を目指します。

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